城中電鉄 

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800形

 800形は2009年の増備計画にはなかった車両です。この車両は元々阪神電鉄8701=8801=8901形だったものなのです。
 それではなぜ城中電鉄に譲渡されるようになったのかといいますと、200形を導入する際に阪神電鉄へ出向いて手ほどきを受けており(ちなみに城電は阪神電鉄の系列会社というわけではありません)、そのときから友好な関係を築いていたそうです。ちなみに1995年の阪神大震災で阪神電鉄がピンチに陥ったときに城電の技術者数名を阪神電鉄に派遣して復旧に努めたというのは有名な話です。
 さて、2009年に8701=8801=8901形が廃車になるという話を聞いた城中電鉄の担当が阪神電鉄本社に出向き、「もし廃車するならウチ(城中電鉄)に譲渡してくれませんか」とそれはそれは熱く語ったそうです。どうやらこの担当者、相当阪神電鉄の車両が好きらしく、実は「担当者の趣味で入れたのではないか」と噂されているほどです(あ、これオフレコかも)。
 阪神電鉄側も「そのまま廃車するよりも、欲しいといってくれるところがおるというのは車両にとっても嬉しいやろ」と思ったようで、快く譲渡していただきました。担当者は涙を流して喜んだのは言うまでもありません。
 ただし、そのまま城電に入れることは出来ませんので改造を行う必要があります。幸いにも、8701=8801=8901形はTc - M - M'の3両ユニットを組めるため、3両編成を基本とする城電としては、8801形に運転台をつけるという最小限の改造のみで済みました。
 設計上の最高速度は110km/hですが、普通車として使う分には充分です。そもそも城電の最高速度は100km/hですしね。また、主電動機は東洋電機製造製TDK-8140-Aを使用し、出力は130kW×4と、普通車として使用する分には問題ないと判断されました。歯車比は5.77と若干低いのですが、出力の大きさでカバーできると踏んだようです。
 駆動装置は中空軸平行カルダン駆動方式、制御装置は抵抗制御を採用しており、どちらも城中電鉄では実績のあった方式のため、技術陣からも快く受け入れられました。昔の技術を生かすことが出来るというのはとても重要なことなのです。
 さて、城電クリームと赤帯の塗装をした車両を見た阪神側の担当者曰く「山陽電鉄3200系に似てるやん」と思ったそう。乗り入れ先の鉄道会社の車両と塗装が似ているのは何かの縁なのでしょうかね。
 さて、この800形ですがそもそも8701=8801=8901形自体が1編成しかありません。しかし、たった1編成のために改造・塗装をしており(「他の車両と一緒にやれば別に問題ないでしょ」と言っていたとかいないとか)、城電は豪気だよなと感じさせますね。ちなみに「800形」でこの車両のみを独立させたのも前出の担当者のゴリ押しというのは内緒の方向でひとつお願いします。
 車両長18,880mと長く、高出力というのを活かしてラッシュ時に重点的に投入されています。また、もともと優等列車に使用されていたこともあってか座席もよいため、利用者からも非常に好評です。担当が鼻高々と言うのは言うまでもありませんね。

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