JR旅行「ノスタルジックトレイン」

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「ノスタルジックトレイン」J21系は以下の12両編成から成る。1編成の定員は306人となっている。
列車は戦前の客車をイメージした茶色を主体に、赤帯を巻いた。それぞれの客車の種類に応じ星マークを加えている。なお、列車内の全てのトイレは温水洗浄便座である。
マニJ21 1〜6(1両目)
他の列車に電源を供給するための列車である。発電時の騒音を考慮して荷物室及び乗務員室となっている。座席車利用客の荷物を預かるサービスも行っているので、荷物が多くなっても安心である。
オハJ21 1〜12(2・3両目)
座席車である。奇数と偶数号車のペアで使用する。定員は各88。偶数車には前方にトイレを設置した。乗車券と乗車整理券(300円)のみで利用できる。乗車整理券はあくまで定員分の座席を確保するためのものであり、座席の指定はできない。
座席車を切り離して昼間も運転を行うため、整備の手間がかからないボックスシートを採用した。転換クロスシートは転換機構が壊れた場合等を考慮し見送られている。座席は東武6050系の製作者監修のもと製作された。シートピッチは1,500mm。

東武6050系

▲東武6050系の座席。1985年製であるがそれを感じさせない。いいものは古くならないのである

さて東武鉄道の監修で製作されたこの座席であるが、東武鉄道も技術を提供するだけでは競合路線(JR日光線など)に負けてしまう。そこで、東武鉄道はJR旅行に対し週1回快速運用で新宿駅から東北本線(宇都宮線)経由で東武日光線に直通してみてはどうかと提案を行った。東武鉄道としてはJRの第ターミナル駅である新宿駅から日光に直通できること、古都日光にふさわしく客車で運行するため旅の雰囲気に合う、朝9時に新宿駅を出発すれば少なくとも12時には日光に到着することができ、昼食や観光、宿泊するのにちょうどいい時間であることから、団体客を日光に呼び込むことができると考えた。
また、JR旅行側も車両を遊ばせずに運用することができること、土日は観光客の需要が多く、確実に大口の需要が見込めると試算した。
両者が同意し、土曜日に1往復運転することになり2001年3月より相互直通運転が開始された。これが意外に人気となり2006年3月18日からJR東日本と東武鉄道が本格的に直通運転を行うようになった。現在でもノスタルジックトレイン編成による運行は非常に人気を博している。
オロJ21 1〜6(4両目)
座席車で定員は32。こちらは乗車整理券の他に指定席券(510円)が必要となる。
2-2の4アブレストのリクライニング付き回転クロスシートを採用している。座席はJR西日本の681系普通車に範を求めた。これは、681系が高速バスとの対抗で高いサービスを提供するという目的で登場したためである。また、アーバンネットワーク区間では私鉄に対抗するため高品質のサービスを必要としたため、自ずと技術力も高まっているという考えもあったようだ。
オハネJ21 1〜12(5・6両目)
開放型2段寝台で定員は32。B寝台に相当する。各編成に2両設置。寝台料金は7,000円。
個人旅行の場合はプライバシーが守られない等と敬遠してオロネJ21系を利用する人が多いが、このオハネJ21系以外では二人以下のみ利用できる寝台車のみのため、1区画で4人が利用できるのもあって団体向けに好評である。

オハJ21 51〜56(7両目)
所謂「ロビーカー」に相当する車両で、フリースペースとなっている。
景色が見えるようにソファと椅子が設置されている。ここにはアテンダントが控えており、23時までは菓子やアルコールを含む飲み物を購入することが可能である。それ以降は自動販売機で購入のこと。ただし価格は若干高く設定されている。
また、テレビが設置されておりNHK総合と観光案内、映画の中から選ぶことができるが、通常は観光案内が放映されている。民放の放送局は長距離列車という性質上、放映するのは困難である。
前方にはシャワー室が設置されており、シャワーカードを購入すれば使用可能である。急にシャワーを使いたくなった乗客のために、石鹸とタオルを購入することもできる。タオルはJR旅行オリジナルである。記念に購入してみるのもいいかもしれない。
スシJ21 1〜6(8両目)
食堂車である。4人用のテーブルが10卓設置されており、定員は40。また、調理室が設置されておりオーブンやガスコンロ等が設置されているためか、自重が若干重くなりス級となっている。
事前予約制となっており、懐石御膳(5,800円)またはフランス料理(7,000円)が選択できる。アレルギーがある場合は別の料理に変更が可能である。また、子供向けメニューも用意してあるので(3,500円)、気軽に申しつけて頂きたい。
夕食が終わり次第、予約していない乗客が自由に利用できる時間(ビュッフェタイム)となり、好きな料理を注文することができる。ちなみにフライドポテトも定番メニューとして用意されている。ラストオーダーは22時30分、営業終了は23時である。
朝食は予約不要で営業開始の6時から自由に利用できる。

スパゲッティ

▲ナスとベーコンのスパゲッティ。セットでサラダと飲み物が付く。

フライドポテト

▲人気メニューのフライドポテト。揚げたてが提供されるのが嬉しい(2012年8月5日)
オロネJ21 1〜12(9・10両目)
二等寝台車で寝台料金はオハネJ21から500円上がり7,500円である。ソロとデュエットに相当する。編成の都合上、奇数号車がデュエット、偶数号車がソロとなっている。定員は各9室でデュエットが18、ソロが9。デュエットとソロを1両ずつ使用する。
個室のためプライバシーが保障されることや、少人数の旅行向けとして非常に人気がある。ソロとデュエットの双方とも上段と下段に分かれており、若干上段の方が圧迫感がある。デュエットベッドはシングルベッドが平行に設置されている。
設備の面ではソロには1つ、デュエットには2つのコンセントが設置されている。携帯電話やパソコンを使用する利用者のための配慮であり、このコンセントの設置の有無で開放型より若干寝台料金が高くなっていると言える。
オイネJ21 1〜6(11両目)
一等寝台車で二人用と一人用があり、それぞれツインデラックスとロイヤルに相当する。寝台料金は二人用が14,750円、一人用が18,800円である。定員は二人用が3室、一人用が1室の計7。
通常はベッドであるが、事前に希望すれば畳に変更が可能である。これは、畳の上で寝たいという旅客や日本文化を堪能したい外国人等に配慮したものである。また、これにより畳の上に座って寛ぐこともできる。
交換方法であるが、ベッドが凹んでおり、マットを取り出す(下記の@とAがマットの厚さである)。次にAに板を入れ、@にベッドの半分の大きさになった畳を2枚繋げてセットすれば完了となる。

畳ベッド

その他のサービス面であるが、両者に共通したサービスでは、懐石御膳を予約した場合に部屋まで運ぶルームサービス及びウェルカムドリンクサービスを実施している。尚、使用したグラス等は持ち帰ることが可能である。アテンダントに持ち帰る旨を伝えると、グラスが割れないように包んでくれる。
それに加えて一人用の場合にはモーニングコーヒーや朝刊のサービス等を行っている。
設備の面では二人用にはライティングディスクと電源設備、テレビが、一人用にはビデオ、オーディオ、トイレ、シャワーが設置されている。
スイテJ21 1〜6(12両目)
この列車の目玉となる1等展望車である。転落の危険を考慮して密閉式展望車となっている。1等寝台車利用者向けのフリースペースとなっており、二人用寝台車利用客向けにシャワースペースを設置している。1等車に乗車する利用客というのはそれなりの地位にある人が多く、この車両自体が社交場としての意味合いがあり、プライバシーに配慮したという面もある。
1等寝台車利用客向けに専用のアテンダントが配属され、軽食等の販売及び接客を行っている。

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